2011年11月21日月曜日

繋がり

東京大学大学院情報学環教授で在日韓国・朝鮮人でもいらっしゃる姜尚中さんは、尊敬する人物の一人です。
姜尚中さんは、政治学・政治思想史が専門で、政治学者としてたくさんの本を執筆されてます。
姜尚中さんは、在日韓国朝鮮人であるがゆえに経験する苦悩や葛藤を著書「悩む力」で正直に打ち明けてくれています。
誰もが成長の途上で向き合うことになるアイデンティティや自我の問題に真面目に正面から向き合い、解決の方法をともに智慧を絞って探っていこうというスタンスを取っておられます。
正解など一切提示しないのだが、そこにたくさんの考えるヒントが示されていて、悩みながらも今を必死で生き抜こうとする人々に勇気と智慧を与えてくれます。
自我というものは他者との相互承認の産物であり、自我は他者との相互承認の中でしか成立しないという指摘は、姜尚中さんがこの本で伝えたかった大切なメッセージのひとつです。

姜尚中さんの著書「悩む力」から、生きていく上で大切なつながりについて書かれた文章を一部抜粋して紹介したい。


人と人がつながる方法は一つではなく、いろいろな方法があると思います。
私にはどうしなさいともアドバイスできるわけではありません。と言うより、それぞれの人に悩んで考えてほしいと思います。「脳」に特化して上滑りになったり、「私」に閉塞して城を作ったりしないで、つながる方法を考えてほしいと思います。
単純に「死んではいけない」とは、私には言えません。でも、「人とのつながり方を考えてほしい」とは言いたいのです。つながるためにはどうしたらいいか考えて、その意味を確信できたとき、たぶん、「生」も「死」も両方、同時に重みを取り戻すのではないかと思うのです。そう信じたいのです。
私も長く悩みました。器用ではないので、ずいぶん時間がかかったと思います。子供のときに「自分は社会の中で誰にも承認されていない」という不条理に気付いて以来、遅々とした歩みの中で、少しずつ、人との間に相互承認の関係を作ってきたような気がします。
ときには自己矛盾に陥り、投げ出したくなりました。ときには全力で当たっていかないで、ぬらぬらした宙ぶらりん状態に甘んじていたこともありました。他者を認めると、自分が折れることになるような気がして納得できなかったこともあります。
しかし、その積み重ねによって、いまの私があると思うです。他者を承認することは、自分を曲げることではありません。自分が相手を承認して、自分も相手に承認される。そこからもらった力で、私は私として生きていけるようになったと思います。私が私であることの意味が確信できたと思います。・・・・・
「悩む力」(姜尚中 集英社)


この一冊で姜尚中という人物の凄さ、偉大さは十分伝わってきました。「悩む力」を読んだそのとき、私にとって尊敬する人物のリストにまた一人姜尚中さんの名前が加わったのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿