英語指導方法の過去と未来
大西泰斗先生が一昨日投稿されたブログ「MY HEART LEAPS UP WHEN・・・」を読みながらこれまで日本人の多くが教わってきた学校英文法について考えてました。
うまくは言えないのだけれども大西先生が言わんとするところがなんだかよくわかるなあと感じ入りました。
まずは大西泰斗先生の一昨日のブログを引用させていただきます。
中学用の文法書がそろそろ気になってきた。
で。本屋に行って、とりあえず5冊ほど高校受験参考書を買って、1日かけて読んでみた。
ひどい頭痛がした。
大学受験用もひどいが、高校受験用もひどい。
I think that she likes basketball.
(1) that は「ということ」の意味
----それではthat がなかったら「ということ」と訳せないのですね。
(2) that が導く節は従属節で名詞の働きをする名詞節であり、thinkの目的語となっている
---それではthinkの後ろには目的語として名詞がくるのですね。例を教えて欲しいのですが。かなり特殊な意味合いでThink it! とは言いますが。もしこの論旨をごり押しするなら、「名詞節と名詞は目的語としての分布が異なる」と言わねばならず、それでは「名詞節」と呼んだ意味が不明になります。
(3) 接続詞that はbe+形容詞のあとに続くことがある。be afraid that/ be sure that/ be glad that...
---名詞節説明中のコラムですので、afraidの後ろには名詞がくるという論旨ですね。それでいいのですか。また、He said to me that 節 も可能ですがHe said to me の後ろに名詞がくる。それでいいですね。僕は見たことがありませんが。
学校文法が「わかりやすい」と言う人もいるようですが、いったい何がわかったのですか。
「わかった」人は、学校文法がわかったわけじゃない。学校文法を通じて「自分の能力で」英語をわかった賢い人なのだと思う。学校文法で話せるようになった人は、学校文法のみるべき内容だけを取捨選択して、行間を埋めて、独力で英語力を組み上げたのだと思う。学校文法は、少なくとも僕には「わかることはできない」から。
「一億人の英文法」は、学校文法を使ってすら英語を話せるようになった人に時短を提供し、行間を埋めることができずに英語をあきらめかけている人に、「わかった」を提供するために書きました。立ち読みでもいいよ、目を通してみてくださいね。
以上が引用させていただいた大西先生のブログの文章です。
おっしゃる通りで私たちの世代は、
I think that she likes basketball.
という文章を目にすると、that節がthinkの目的語となり、that she likes basketball は名詞節であると即座に考えます。
同時にI thinkが主節であるからthat she likes basketballは従属節であるのだなと。
そして日本語に訳すときは、名詞節に相当するthat she likes basketballのS´+V´部分を「~ということ」と訳すように学校の教科書にも書いてあったし、そのようにも教わりました。
理解できようが、理解できまいが、学校の教科書にそう書かれてある以上きっとそうなんだろうと信じ、反復学習を通して強引に覚えたものでした。
学校の英語の教科書に書かれてある以上、「理解できない部分があるのは、当方の頭が悪いゆえであろう。そのうち英語能力が向上した暁には、ああ~そうだったのか。そういうことだったのか!と納得し理解できるようになるのであろう」と信じ込んでいました。
いまこの年齢になって、幾ばくかの英語学習を重ねてきて思うのは、ネイティブスピーカーはこの単純な英文を見てそんな間怠っこしいことは微塵も考えはしないだろうということ。
うまくは言えないけど本当は単純で易しい英文なのに敢えて難しく難しくして理解することを困難にしている気が・・・。
そのような例は実は山のようにある。
学校文法のこれは有効に使える!という部分だけを選び出して、読み書き話し聴くというさまざまな方法を上手に組み合わせて駆使しながら英語という言語に慣れ親しむと同時にその特質を掴み取り、その人独自のやり方で不足欠落した部分を埋めて英語能力を高めていったのだと思う。
私自身の過去を振り返っても、実用的な英語をより効率的に身に付ける方法はもっとたくさんあったと認めざるを得ない。
同時にいま学校文法を使用して英語を学習している人達のことを考えてもまだ欠陥が山とあると認めざるを得ない。
本当は英語学習者に向けた、合理的で実用的なシステムが学校であれ学習塾であれ既に出来上がって存在していれば一番良いのだけれど、実際はそうではない。
学校文法が不十分であることを重々承知しながら、それ以外の画期的な方法、賢いシステムを学校関係者も民間の英語指導者も上手に作ることが出来ていないというのが本音だろう。
その意味で大西泰斗氏が、主に中学高校生対象に、この度実用的な英語能力を身に付けるための英文法書「一億人の英文法」(大西泰斗、ポール・マクベイ 東進ブックス)を執筆し、上梓した意味は大きい。
この本では、一目で細かいニュアンスが伝わるイラストを多用しており、英語学習者は一瞬でネイティブの意識感覚を理解できるように工夫が施されている。
また今までの機械的に規則を暗記させる非合理的な方法から、文法用語を極力排して、配置の原則を適切な例文を挙げながらわかりやすく解説するという合理的な方法に変換している。
このことを通じて英語学習者は、英語という言語は「配置の言葉」であるという事実を実感することが出来る。
このように大西泰斗先生の「一億人の英文法」という書籍は、合理的かつネイティブの意識や感覚を見事に取り入れたという点でたいへん素晴らしい本だと思う。
同時に、この本は、我々英語教育に携わる者に、学校文法以外の方法やシステムで学生を指導する手立てはいくらでも存在するという明白な事実に気付かせてくれる。
大西泰斗先生のプロフィールです。
1984年筑波大学第一学群人文学類卒業。
筑波大学大学院文芸言語研究科博士課程単位取得退学。
文学修士(筑波大学)。
1996年オックスフォード大学に客員研究員として招かれ研究に従事。
現在、東洋学園大学人文学部教授。
ポール・クリス・マクベイ先生と共同で「ネイティブスピーカーシリーズ」を執筆。
過去に「ハートで感じる英文法」、「ハートで話そう!マジカル英語塾」等のテレビ番組に出演。
燃え滾る情熱と不断の努力で日本の英語教育を本気で変えようとしている熱い方です。
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