高校入試の合格発表の日のエピソード
それは26年前。高校入試の合格発表の日。どきどきしながら朝早く自転車で学校へと向かった。自分の受験番号を空で唱えながら心臓が口から飛び出るほど緊張感いっぱいだった。校庭の一角には多くの受験生が集まり、合格用紙の張り出しを今か今かと待っていた。ポケットにはいつでも確認できるよう自分の受験番号を書きなぐったメモ用紙を忍ばせていた。わたしは張りつめたその空気に耐えられず、遠い景色を見やりながら楽しいことを考えたりして発表の時間が来るのを待っていた。漸く掲示担当の係員が現れておもむろに番号の記された大きな用紙を掲示板に張り出し始めた。一斉にざわつき始める。丸まった用紙をゆっくりと広げていくため思いのほか時間がかかる。気持ちは急くがあせっても仕方がない。受験生の中には番号確認が早い者もいて歓声があがり始める。いろんな数字が飛び込んでくる。どの受験生も必死で自分の番号を探してる。やっと用紙がきちんと張り出され、たくさんの数字の中から自分の記憶した番号を探し出す。「あった!」心の中で叫ぶ。合格者はしっかりと番号を確認したあと必要書類をもらいに近くのテーブルへと移動。喜びと興奮の中、長い列にわたしも並び、順番が来たら受験番号と氏名を名乗り出て書類をいただく。そのとき番号に何か違和感が?!さっき覚えた番号とは違う!!?。顔面蒼白になった。まずい!恐怖の面持ちでもう一度掲示板に向かう。そこにはもうほとんど受験生はいなかった。確認したばかりの正しい受験番号を恐る恐る探す。 「あった!」 本当はほっとしたのとちゃんと合格出来ていたのとで大いに喜びを爆発させたい。でもどう見ても合格者に配られる書類を手にした後で、しかもこのタイミングでは恰好が悪すぎる。下手な喜びようをしたら、こちらの事情を見透かされるようで恥ずかしくもある。平静を装った。自転車で家路を急ぐ。途中急な坂道があり自転車を降りてゆっくりと上る。しかしあまりにもなんだか妙な気分。この変な気分は不完全燃焼のせいだ。やはり家に帰って家族に報告する前に一度この喜びを自分一人で噛みしめ味わっておいたほうがいいのでは!!坂の途中で足を止め、ぐるっと後ろを振り返り、男体山を仰ぎながら「やったー!」と雄叫びをあげ一人ガッツポーズ!これで16歳の喜びの儀式は終わった。
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